無塩せきガソリン

SALT-FREE GASOLINE

そんなに好きではないけどおもしろかった映画と、そんなにおもしろくなかったけど好きな映画 『シング』と『チアダン』

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付き合う前のデートくらいの気持ちで映画を見に行くときにチョイスするのは大体ディズニーだ。なぜならハズレが極端に少ないから。そんなディズニーはかなりポリティカルなコレクトを気にしており見ている最中にストレスを感じることがほとんどない。つまりヘイトが貯まるキャラクターがあまりいない。仮にいたとしても敵役だ。平和そのもの。安心して見れる。

 

シングは違う。シングチームが揃ったポスターは愛らしい動物の楽しげな感じだけど、この内半分は犯罪者だからな。みんなワガママで、自分のやりたいことのために本来自分がすべき役割を放棄したり他人に迷惑をかけたりする。けどそれって何が悪いの?というのがテーマにもなってくる。人の目なんか気にせず、迷惑なんて顧みず、やりたいことやるから、エンターテインメントだろ?

 

で、最後にショーが始まるわけだけど、まんまと泣かされた。そりゃ泣くよ。それまでの伏線、フラストレーション、モヤモヤが3分ちょっとの各曲で一気に解消されんだぜ?泣くに決まってるって。

 

ただ、目が肥えちゃうってのは不幸なことで、どうしても『ズートピア』とかみたいな”人間以外が人間みたいな動きをする”映画と比べてしまうと、表情やキャラデザなんか、いまいちピンとこないところも多い。リアクションの大部分がアメリカのコメディタッチな大味のものだったり、どうしても夢中になれなかった。『ローグワン』のノッポのロボットの方がよっぽど親近感あった。

ディズニーじゃないが故に面白く感じ、ディズニーじゃないが故に肝心な部分でもう一歩!と、そういう感じ。

 

 

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シン・ゴジラはひっくり返るほどおもしろかった。君の名はも、俺はわかんなかったけどこれは流行るだろうなとは思った。なんだ邦画、レベル上がってんじゃん。今まで偏見であんま観てなかったけどいっちょ行くか、『チアダン』。

 

以下は劇中の「どうなの?」と思った箇所である。

・人間の座標がバグっている(誰かが歩いてるとたまたま重要な話をしている場面に遭遇、みたいなことが頻出)

・エモーショナルになると叫ぶか走るかの二択

・え?2017年にその演出?頻出(みんなで仰向けに寝転ぶとか練習モンタージュとか変な効果音とか)

・説明シーン長すぎ退屈すぎ

・まいんちゃんのダンスは見てるこっちが恥ずかしくなる

・フクイコールもこっちが恥ずかしくなる

・女の子のガチ口論、下手なマウンティングとかよりよっぽど怖かった

バレリーナ、なんだったの?

 

…これ終わんねえな。

とにかく粗を探そうと思えば無限に出てくる、俺が思い浮かべる「よくある邦画」だったのだ。しかしこの映画のコアはそういうみみっちい映画論とは全く別のところにあった。

出ている役者がかわいいから観るという概念が理解できたというか、「演技してます!私!」っていう役者の魅力がなんか理解できたかもしれない。今までは役者って若くて美形で注目されるのが好きなワタシ・オレな感じのいけ好かないやつがやってると思って、それが日本人だとどうもテレビなんかで演技してない姿もよく見る分、「うわあ…あの自信満々の顔、見てらんねえよ…」ってのがあったからなんとなくわざわざ見に行くことはなかったのだ。

いやーそんなことなかったよ。それぞれの役割をきちんと全うしてるし、コメディな部分も器用に全力でやってたし、すげーじゃん役者。福井弁も、あんなダサい言語をよくこんなに全力でやれるなと思った。俺は福井県民だが、全然違和感なかったし、全国区でこんなにやっちゃっていいの?ってぐらい福井弁だった。

というか出来上がった建築はガタガタのひどい有様だったけど、役者の土台があったから最後まで観れたというか。映画のテーマがそうだけど、応援したくなるというか。やってんなあ、頑張れよ、って感じ。ただ、こっちは正直オススメしない。演技にハマれなかったら苦痛地獄だと思う。

 

 

好きな映画とおもしろい映画は違うっていうのは昔からよく考えてて、何が原因かわからなかったけど、最近見たこの2本で「キャラクターへの入れ込み」ってのは重要なファクターとしてあるんだなとわかった。パーツだけで見るとクソつまんねー邦画とかドラマに異様なチャーミングさを感じることがたまにあったんだけど、「キャラクターへの入れ込み」だったのかと今にして思う。