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無塩せきガソリン

シーユーインザネクストライフ

ジーンズの異臭対策

5月も終わりに差し掛かかった。梅雨と夏の到来である。

ジーンズ洗わない派のみならず、部屋干し勢やスーツ軍団など様々なクラスタが異臭対策を余儀なくされる。

 なぜこの時期になると嫌な臭いが目立つのか、どうすれば防げるのか。

 

なぜ臭うのか

www.live-science.com

 

この臭いは、衣類についた雑菌が皮脂やタンパク質汚れを分解して醸し出されたもの。

 

そう。異臭の正体は雑菌の活動で、洗濯をしなかったり生乾きのまま放置していると雑菌は皮脂や水分を栄養にしてドンドン活発になるのだ。ここまでは経験則でなんとなく理解できるだろう。恐ろしいのは以下である。

 

一度この状態になると、普通に洗っただけでは元に戻りません。乾いたときには臭いが消えていても、それを着て汗をかいたり雨に当たったりすると、残っていた雑菌がその水分を糧にして増え、臭いが復活します。

 

要は「一度服に雑菌が繁殖すると簡単には死滅しない」ということである。

 

これはつまり「梅雨時はなんか臭うな」という服には全て雑菌が繁殖していて、普段臭いが気にならないのはただナリを潜めているだけだから...のようだ。

 

「うわー汚ねえ!そんな雑菌だらけのジーンズを洗わずに毎日穿くなんてイカれた行為はやめて普通に洗濯しろよ!」

 

と思ったあなた。

以下の研究結果を見て欲しい。

 

gigazine.net

デニムが洗濯された後、Leさんがさらに13日間連続して着用した後に、再びデニムに付着しているバクテリアを検出してみたところ、結果は15ヶ月間ずっと同じデニムから検出された内容とほぼ同じでした。つまり、15ヶ月に1回洗濯をしようと、約1週間に1回洗濯をしようと、ジーンズに残存するバクテリアの量はほとんど変わらないということです。

 

 洗濯をしようがしまいがバクテリア...要は雑菌の総量は変わらない、というのがこの実験の結果である。つまり、雑菌の活動さえ封じ込めてしまえば異臭問題は解決する、ということが分かる。

逆に言えば誰がどのように着た服にも大体同じくらい雑菌が繁殖しているのだ。そこまで神経質になることはない。必要なのは適切なケア。

 

 

どうすれば異臭は消えるのか

では、どのようにして雑菌の活動を止め、繁殖を抑えるかという方向で異臭を押さえ込む方法を5点挙げる。

 

1.裏返してファブリーズ 効果:★

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最もイージーで手っ取り早い。脱いだら裏返してハンガーに掛け、表裏両面に2,3プッシュ。終わり。誰でもできるし工夫もいらない。効果があるのは次に穿くまで。つまりファブリーズで異臭を抑えても1日くらいしか持たない(経験による実感)。おまけに生地に残るものが多いのでスプレー後は生地がベタつく...気がする。

生地からなくなる:菌、臭い

生地に残る:皮脂、スプレー成分、水分

 

2.冷凍庫 効果★★

まことしやかにささやかれる「ジーンズは冷凍庫に入れておけば菌が死滅する」という冷凍神話だが、一度経験がある方ならわかると思うが効果は長続きしない。これは日本の湿潤な気候が関係していると俺は睨んでおり、冷凍庫から出してすぐ水分が付着するため、菌も再繁殖してしまう...と考えられる。アメリカの、特に砂漠地帯のような乾燥した地域でなら効果を存分に発揮するかもしれない。同様に「電子レンジでチンする」といった家電利用パターンはあまり効き目がないと思う。高いジーンズで妙なことはしないのが吉。

生地からなくなる:菌、臭い

生地に残る:皮脂、水分

 

3.裏返して天日干し 効果:★★★★

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これも手軽で簡単な方法。裏返して日当たりのいい場所に放置するだけ。布団干しと同じ要領で、雑菌を死滅させて生地の水分も飛ばす。効果があるのは…2,3日くらいか。菌は一度死ぬものの、皮脂は残っているので簡単に再繁殖してしまう(経験による実感)。インディゴの色褪せ、紫外線による生地劣化の原因にもなるので毎日やるもんではないと思う。そもそも梅雨時ってあんまり晴れないし。

生地からなくなる:菌、水分、臭い

生地に残る:皮脂

 

 

4.スチームアイロン 効果:★★★★★

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ジーンズにつく臭いの原因は水分と皮脂だけではない。煙草、線香、肉などの煙はすぐ臭いが付着する上になかなか落ちない。また、インディゴの色落ちを防ぐための”定着液”なるものが使われていた場合、糊落としの1週間後くらいに急に鼻を刺すような酸っぱい臭いがするケースもある(経験による実感)。酸性の物質がインディゴの定着を強めるためである。これがいつまでも残るとキツイ。

こうした、雑菌由来でない臭いにも効果を発揮するのがスチームアイロンだ。高温の蒸気でにおい物質自体を吹き飛ばす。綿100%なら高温で、ポリ混デニムなら低温で行う。グイグイ押し付ける必要はなく、軽く乗せる程度でOK。

難点は色落ちへの影響が未知数であること(今年から始めてみた)、弱いアタリは消えてしまうこと、伸びた生地が縮んでしまうことである。

生地からなくなる:菌、水分、臭い

生地に残る:皮脂

 

 

5.アロマスプレー 効果:爽やか

・好みのアロマリキッド−2,3滴

・無水エタノール−10ml

・精製水(水道水でも可)−20ml

をスプレー容器に入れよく混ぜる。爽やかな香りで紛らわせてしまう。問題の本質は解決できていないのに、見てくれだけ取り繕ったような感じだけど構わないだろ?社会がそうであるように。

 

 

洗濯が一番

しかし上記の方法はいずれも「皮脂」を除去できなていないのだ。雑菌がいなくとも、油分やタンパク質が生地に付着し、そこから弱っていくので長い間洗っていないとブローアウトしていくことになる。ジーンズを爽やかに保ち、長く穿きたいならこまめに洗濯をするのが一番いい。という身も蓋もない結論にどうしてもなってしまうのである。

同世代の活躍を見ていると自分は何も積み上げてきてないなと過去を悔やむんだ

 

 

youtu.be

 

tofubeatsが新アルバムを出した。

 

ここ最近PUNPEE、クリーピーナッツ、岡崎体育なんかはテレビもよく出てるし、平成世代のトラックメイカーの活躍がめざましい。すごいなあという思いである。

 

特にtofubeats、DJ松永、毛色が違うけど朝井リョウの3人は、ラジオ...とりわけオールナイトニッポンでの立ち振舞いがソックリで、その立ち振舞いがまさに俺ら世代って感じで、シンパシーを感じると同時に、そういうのとはちょっと違うもっと後ろめたい感情を俺は味わっている。

 

「俺が出たほうがゼッテー面白くできるって!!」とかそういうおこがましい感じじゃなくて、ああいう風に自分で自分の立場をきちんと築き上げられていて、それがしかも同世代であるということに、すごく劣等感を感じてしまうんだな。

 

誰かの強烈なフックアップやプロデュースではなく(されてるかは知らんけど)、地道な活動がそこに根付いているから成果物はもちろん最高だし、見た目も友達にいてもおかしくないようなイカれた格好をしていないから応援したくなる。それは本当だ。

 

ハンソンとかジャクソン5とか宇多田ヒカルみたいな音楽一家出身で幼少から大人気をかっさらっているようないわゆるナチュラルボーン天才じゃなくて、好きなものとじっくり向き合い何よりもこだわって誰よりも努力してずっと楽しんでいたんだろうなということがどの曲を聞いたってわかるのはすごいことじゃないか?

 

ポジティブで起業家精神あふれる類のガンバリブロガーだったら「今注目すべきな活躍している僕と同世代のミュージシャンn人!(nは0を除く自然数)」とかみたいな紹介の仕方になるんだろうけど俺が思うのは俺は今まで何もしてきていなかったんだなという無力感だ。

 

そもそもシーンは見えないところで活発で、ラップバトルで人気が出たりクラブテイストの音楽がアメリカで流行ったりしたことで表層化しただけだろう。今までしっかり自分のスジを通してきた人が正当に評価されているだけだ。

 

テキトーにダラダラ人生を消費するんじゃなくて、きちんと一日一日を燃え尽きて生きているんだろうなということを嫌でも想像してしまう。同世代の活躍を見ていると自分は何も積み上げてきてないなと過去を悔やむんだ。

 

どこか遠くに行きたいけれど

なぜか行けないのさ
わかってるフリをして
笑ってる君を見てる
優しいね

Baby/tofubeats

 

 

youtu.be

 

 

www.youtube.com

 

 

 

アルバムの感想:

これは俺ら世代特有の感覚なのかはわからないが、大きくなったら世界がどんなもんか分かるかな?とか期待してたけど、蓋を開けてみれば隣のやつが何考えてるかもわからない感じなことが段々明らかになってきて、結局自分が何者なのかもよくわからないんだよな。そんな中で楽しいことしてればいいのかな?きっといいんだろうな。

 

Tシャツ、しっくりきたことがない問題

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Tシャツは人間の生み出したモノの中でかなり経済を体現していると思う。とにかく消費者泣かせの非情なアイテムだ。高品質・低品質でほぼ別物なのに大多数の人は同じ無地のTシャツとして扱うし、柄を変えれば無限に新たなラインとして製造できるし、ライブで買うバンドTのようにイベント性を付随することもできるし、メッセージを他人に強制的に広告することができるからだ。

 

どうもTシャツ原価300円説を各所でよく聞くが、例えばグラフィック・無地にかかわらずデザイン料がかかってくる。ブランドイメージを維持する広告費もある。輸入・問屋・小売の販売経路…などかかってくる諸経費は各セクションにある。ブランドが一番多く利益を得ているかというとそうでも無いと思う。「シュプリームは300円のTシャツにロゴを書いただけで1万円で販売して9,700円の暴利をむさぼっている、消費者をナメくさった悪徳ブランドだ!」と言うような想像力のない意見が散見されるが、利益が9,700円のTシャツなんて売れたら秒速で億万長者になれると思うよ。ボラれていようが転売だろうが欲しくなっちゃうキッズもアレだけど。

 

では俺はどうやってTシャツと付き合っているのか。

現在、Tシャツの総数は20枚。そのうち普段外に来ていくものは5枚程度。

戦力外の15枚はヨレヨレで部屋着にしているとか着れるシーンが限られているとかなんとなく手放せずにいるとかそんな感じ。

しかし思い入れがあったり好みだからよく着るわけでもない。トータルのバランスやTPOに応じて自分の気持ちを抑えなければならない。「好きな服を着よう」とか「自由にファッションを楽しもう」とかいうのはフェイクであり、オシャレだと他人から評価されたければ人がオシャレだと感じるルールに則って正しい選択をしなければならない。

俺は人からオシャレだと思われたいとはあまり思わないのでそこまで気にしていない。服を選ぶ時は「一緒にいる相手にとって好ましいかどうか」を考えるくらいである。

 

そんな感じだからTシャツもその時の気分で買ってしまい、全然使われないことが後になって判明していくということがよくある。グラフィックが最高で、サイズやシルエットやディテールや生地感なんかどうでもよくなることだってよくある。去年気に入っていたものが、次の年に全然使われないこともある。グラフィックに飽きるし、無地に嫌気が差す。サイズ感のトレンドがちょっと変わるだけですぐ変になってしまう。

Tシャツのチョイスは難しく、しっくりきたことが全然ない。だからこそ面白い。

 

 

そんな風にTシャツを買うので無駄に多くあるわけだけど、手持ちの中から数点を紹介させてもらう。

なぜって?

紹介してーからだよ。

 

 

GOOD WEAR ポケットT

一番着ている。ヘビーオンスで、ザラつきが強く、固い。アメリカンサイズ。汎用性が高く、耐久性もある。Tシャツを一着しか着れなくなる呪いにかかったらこれを選ぶだろう。白を購入予定。

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BOGEN

ボーゲンのTシャツは分厚さはあるものの固さがなく、着心地が良い。シルエットは太め。グラフィックもシンプルでカドがないのでオールシーズン着ている。夏でもスキーのことを思い出せるので、便利。

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バンド・ライブTシャツ群

10年モノからつい最近のものまで。ユニクロバンTのようなキャッチーなものからもう解散したバンドのようなニッチなものまで。普段はあまり着ない。汚れてもいいものだと思っているフシがあるので、主に掃除やアウトドアのときに着ている。我ながらひどい扱いだと思う。

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ビンセントベガ

映画をモチーフにしたプロダクトストア、ビンセントベガ。最高。

隅々まで作り込まれているな、ということがわかる。それはやっぱり映画内においてなぜそのアイテムが使用されたか、どのようなルーツがあるのか、どのように切り取られているかということがきちんと研究されているからだろう。でないと耐久性のない販促ノベルティーグッズになってしまう。デザインの面でも服としても耐久性がある物を前にすると、アガる。毎日をゴキゲンに過ごせる。

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このへんにてお開きです。

なぜジーンズを穿くのか(色落ちを楽しむとはどういうことか)

cte26533.hatenablog.com

※今回はこちらのエントリに補足する形になります。

 

 

身につけるものは不潔であるより清潔なものがいいし、古いものより新しいものが良いし、同じものより新鮮なものがいい。と、おおよその人は思っているだろう。反対はしないしそれが普通だと思う。

 

ではなぜ一部の人間はわざわざジーンズ色落ち行為を好き好んで行うのか。

 

長い間放置されていたこの謎を、今回はきちんと分解して解説して説明していきたい。文系的アプローチから「人はなぜジーンズを穿くのか」「色落ちとは何か」を再度問うていく。

 

 

ジーンズの歴史(すごくざっくり)

かなりざっくりジーンズの歴史を振り返る。

 

・リーバイさんとヤコブさんがデニム生地をリベットで打ち付けた作業着をつくる(ジーンズの原型)

・丈夫だと評判になり人気が出たので他所が真似しだす

・リーバイス社が501をリリース(最初はサスペンダー仕様のガチ作業着)

・アメリカ好景気の中、一部の反社会的な若者がジーンズを穿くようになる。

良家を出た坊っちゃんが労働階級の着物を着るなんて!と話題に。

・アメリカで戦争反対ブーム勃発。ジーンズは反抗の象徴に。

ラブアンドピースを唱え、みんなが穿くようになる。

・一方そのころ日本は嗜好品や衣類の輸入が増加、アメリカ文化が流入してくる。

・日本でアメリカ人ファッションの真似がブームに。(アイビーブームから)

・ほとんどのオールドリーバイスが日本人によってアメリカ国外に持ち出される。

・それでも日本ではジーンズが不足していた。

???「なら日本で作ればよいのでは」

日本はデニム生地の生産を行っていたりしたため、高品質なものがドンドンできる。

・日本でヴィンテージレプリカブーム

・一部の”根性履き”一派のジーンズを見た外国人「 Amazing !!! 」

・色落ち文化としてアメリカに逆輸入、各国に伝播。

 

以上が「肉体労働に従事していない人が好き好んでジーンズを洗わずに特有の色落ちを楽しむ」という文化が形成・拡散される過程である。 

 

 

色落ちを何故魅力と感じるのか

人間はボロボロのものに魅力を感じるからだ。語弊なく言うと、長い年月稼働してきたことがひと目で分かるものを人間は素晴らしいと感じる、ということだ。しかしこれには「美しい状態が保たれている」という前提条件を加えなければならない。

 

例えば太古の昔に建設されて今まで残ってきている世界遺産の寺院。建設された理由、施工後に辿った過程、そして職人の手による熟練された技術など膨大な量の情報が各所に見て取れる。長い年月を経てなお美しく存在しているモノはそれだけでスゴイ。人間を引きつける魅力がある。

 

では時間の経過がわかるようなボロボロの衣類ならなんでも良いのかというとそれもまた違う。首周りがダルダルのTシャツに魅力はない。美しくないからだ。不潔感が漂う服というのはただ古いだけだ。古さとは、型崩れが起きたり、生地の薄さを露呈するシワが目立っていたり、全体的に染料が抜けて彩度が落ちてしまったりしている様子のことだ。

ではボロボロのジーンズは何が違うのか?ここに特有の堅牢さが関わってくる。

 

分厚いデニム生地は型崩れが起きない、というか最初から思いっきり崩れて体にフィットさせるというコンセプトがある。捻れて縮んで伸びてシワが付くことで千差万別の体型に合わせていく…というのがリーバイスが提唱する「シュリンクトゥフィット」の概念であるし、高品質ジーンズは大体これを受け継いでいる。

 

セルビッジ生地を使うジーンズのほとんどは12オンスを超える。これにより、生地の薄さによるシワはほぼできない。ウィスカー、ハニカムなどシワができる場所は限られてくる。ある程度洗濯をしなくてもいい理由はここにある。長時間の着用でもシワシワのヘナヘナになりにくい。生地のハリやシルエットを保ったまま数ヶ月は着れる。

 

そして重要な染料の剥離について。ジーンズの色落ちはインディゴ染料の剥離によるもので、これを防ぐ方法はいくらでもあるが、フェイドプルーフとかそういった加工はほとんど見られない。それは体型の沿ったシワの色落ち、およびインディゴのグラデーションが美しいからに他ならない。チノパンの裾がすすけたり、スラックスがテカテカになったりするのと何が違うのかというのは「美しさ」なのだ。

 

以上の点から、「長い時間の経過が見て取れる」上で「美しい」ため、ジーンズの色落ちには魅力があるし、長い歴史の中で埋もれずにファッションアイテムの位置を確立している。また、同じようなことが革製品にも言えるだろう。「育てる」とか「経年変化」などと呼ばれるこの感覚はいつの時代も一定の層にとって大きな魅力なのだ。

 

 

加工じゃダメなんですか?

草野球は賃金をもらうためにするものではない。野球が楽しいからやるのだ。一方、プロ野球選手が試合を楽しむのは勝手だが、結果が伴わなければ年俸が発生しなくなる。なので結果が物を言う。

 

何が言いたいかというと「結果が全て」なのが仕事とかそれに準ずるもので、「過程を楽しむ」のが趣味なのである。目的と手段が逆転してしまっている状態が趣味なのだ。

 

ジーパン色落ち行為を楽しんでいる人は自分の体型に沿って色落ちをしている過程を楽しんでいる。年月を経て生地が変化していく、変化させていくのを楽しんでいるのだ。確かに「結果が重要」派もいるが、ほとんどの人は「あー変なアタリついちゃった…ま、それもアジかな」なんて具合に自己正当化出来てしまうのはその過程が楽しいからに他ならない。そしてその結果が可視化できるまでにかかるのが数時間とか数日ではなく数年というのもまたポイントで、洗濯のプランを練ったり、わずかな隙を逃さず穿いたり、ローテーションを組んで数本のジーンズを回したり…ということを考えたり実行したりするのに数日や数週間では短すぎるのである。(年単位もなげーなとは思うけど…)

 

色落ち加工職人は違う。新品のジーンズをヤスリや高圧洗浄機や軽石洗濯や化学薬品を駆使して加工するわけだが、まるで誰かが穿いたみたいな色落ちを再現しなければ賃金が発生しない。楽しんでやっているかどうかは分からないが、「このうっかり付けちゃったスリ傷、指定された場所と明らかに違うけど、意外といいアジ出してないスか?」とか言ってもドヤされるだけである。「ちょっとこのハチノス難しそうなんで納期あと一ヶ月延ばしてくださいス」とか言ってもドヤされるだけである。

だからこそ、熟練された色落ち職人による加工ジーンズを穿くというのは実に合理的な選択だ。時間をかけずに清潔で生地の損傷もないユーズド風ジーンズが手に入るのだから。

 

フェイズは不合理を楽しんでいるのだ。ラインで1秒で送れるメッセージを、紙とペンを用意して季節の挨拶とか付けて失敗しないように注意深く文面を書いて封筒に入れて切手を貼ってポストに入れて、しかも相手がそのメッセージを読めるのは数日後…ということをわざわざやるのが楽しいのだ。

 

汚いからせめて洗ってよ…という至極まっとうな意見

ごもっとも!汗と皮脂がベタベタに残留したまま数ヶ月洗っていないジーンズは汚い!しかし実験では以下のリンクように洗っても洗わなくても生地表面のバクテリア数は変わらないことが証明されている。だから…まあ…大丈夫では?

gigazine.net

 

あとこれはほんの例え話なので気にしなくてもいいんだけど、例えばスマートフォンが便器よりバクテリア数が多いなどというのはよく聞く話だ。人間はよくわからない基準によって清潔かそうでないかを決めているものだ。あなたが触っているそのマウス、本当に大丈夫?スワイプした画面、トイレ行った手で触ってないよね?

 

においについては他人に迷惑をかけるので確かに気を付けなければならない。その点は安心して欲しい。我が家ではファブリーズのようなにおいを抑えて殺菌までしてくれる現代テクノロジーの粋とも言えるアイテムがフル稼働している。ジーンズの色落ちに気を使うような細かい人間が、どうして異臭を放置したまま外を歩けようか。異臭を放ちながらボロボロの洗っていないジーンズで平気で外を歩いている人のレイヤーと、色落ちを楽しんであえて洗濯をしない人のレイヤーはまた別の所にある。

 

ちなみに、そこまでして洗濯できない理由としては、前述のインディゴ染料は水溶性があるため水浸しのまま洗濯機でグルグル回ったりなんてしたら全体的に色落ちし、深いグラデーションができなくなってしまうからである。

 

なぜジーンズを穿くのか

「長いこと穿いているといい感じになるから」というのが俺がジーンズを穿く理由だ。ワークウェアなりのディティールがあったりするところも魅力なのだが、薀蓄を書き連ねるのは中身がないファッション雑誌みたいになってしまいそうなので控えておく。

 

服には、見た目のオシャレさと同様にギミックの楽しさも付随している。特殊な製造過程のものを着ているという楽しさや、ハイクオリティなリボンやフリルが付いているという楽しさなんかだ。ジーンズの場合は色落ちをする、というのがそのギミックの重要な一部だ。

 

そのギミックを楽しめるだけで生活は豊かになる。毎日が楽しくなる。

高品質・高価格でシルエットがトレンドど真ん中でカッコイイからといって、そういう服を欲しいとは俺は思わない。自分にとってアガる服とそうでもない服があって、できれば毎日ギミックを楽しめてアガるもので固めたい、というだけだ。

セルビッジジーンズを買ってしまったあなたへ

みなさん、突然ですが最近ジーンズを買いましたか?

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…5月も中盤を迎え、新生活も一区切りついた頃ではないでしょうか。

家具や洋服など、新調したアイテムも徐々に馴染んでくる、ファッション好き・モノ好きのみなさんにとって一年で一番楽しい時期かもしれませんね。

 

ところで最近町を歩いていて思うのですが

デニムのアイテムを取り入れている人、多いですよね?

 

街を歩くとセルビッジジーンズを穿いている人の多いこと!

しかし私の友人にはセルビッジジーンズを穿いていながら、

「あ、この赤耳?なんか捲ったときカッコイイから買ったんだ。普通のジーパンとなんか違うの?」

という人もいました。

 

デニムは正しい知識で正しく扱えば何年も持つ耐久性があります!

これは壊れにくいと言うだけでなく、徐々に色落ちするのでデザイン面での変化も楽しめるのです!

 

せっかく買ったジーンズやデニムジャケット、すぐに飽きてしまって手放してしまうのはもったいないです。

そこで今回はジーンズの正しい知識を簡単に紹介していきたいと思います。

 

 セルビッジとは

セルビッジ(セルヴィッジ)デニム生地と普通のデニム生地は何が違うか、わかりますか?

お手持ちのジーンズの裾をめくってみてください。

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普通は脇割り加工のされたデニム生地が一般的です。(画面下)

大量に安く短時間で生産できるからです。

切られた生地がほつれないようにメタメタに縫われていますね。

 

一方セルビッジ生地は、特殊な機械でしか生地を生産できません。(画面上)

一度にできる幅も狭く、時間もかかります。

生地の端に白地+赤い糸でほつれ止めがなされることが一般的なので、赤耳と呼ばれたりもします。

 

なぜ高いの?

一般的に、セルビッジジーンズは普通のジーンズよりも値段が高いです。

それはなぜか。生産にコストがかかるからです。

 

先ほどのように、セルビッジ生地は生産に時間がかかり、生産量も少なく、なおかつ特殊な機械を使用します。

なので、普通のデニム生地のように大量に量産することが出来ないのです。

 

なぜセルビッジ生地を使うの?

高いからです。デニム生地がブームの今、まわりと同じ格好をしていないと不安でしょうがないけど、同ランクと思われるのはなんかイヤ!というニーズに答えるためです。

そういう”流行を追いかけるタイプのファッション好き”はお金をたくさん使うので、なるべく搾り取るために製品の価格は高ければ高いほどいいです。

製品の値段を釣り上げることで、自分の頭では物を考えることができない消費者から金をむしることができるためです。

 

あと、一部のブランドはデニム生地特有の美しい色落ちを追求するためにセルビッジ生地を使用したりもします。

 

 

色落ちについて

デニム生地は色落ちします。

デニムを青く見せているインディゴ染料が糸から抜けていくためです。

普通に履いているときには微量に、洗濯すると(特に最初のうちは)たくさん染料が落ちます。

デニム生地のものと色の薄いものを同時に洗濯すると色移りするので避けましょう。

また、ジーンズの洗濯についてはこちらのエントリで詳しく書きました。

cte26533.hatenablog.com

 

「ジーンズを洗濯しない」というのは、履きシワに沿った色落ちを楽しむためです。

シワの凸部は頻繁に擦れるため白くなり、シワの凹部は青さが濃く残る…

という性質でジーンズ特有の美しい色落ちになっていきます。

※参考

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cte26533.hatenablog.com

 

 

 

傾向別ジーンズの扱い方

では、ジーンズの系統ごとに扱い方を説明していきます。

あなたの持っているジーンズは…?

 

アメカジ系だ(ウエアハウス、フェローズ、バズリクソンズなど…)

基本的にブランドが推奨する通りに扱ってください。

毎日穿いても大丈夫です。

洗濯は週一〜月一がオススメです。

なぜなら他のアイテムとの調和が基本になるからです。

バッキバキに色落ちしたジーンズは他のアイテムの中で悪目立ちしてしまうのではないでしょうか。

適度に着古したジーンズがトータルコーディネイトには最適です。

 

きれいめ系だ(オアスロウ、ヤエカ、リゾルトなど…)

基本的にブランドが推奨する通りに扱ってください。

毎日穿いても大丈夫です。

洗濯は週に一回くらいがオススメです。

なぜなら適度な青味こそ、この系統の到達点だからです。

全体的な色落ち、きれいなブルージーンを楽しんでください。

 

穿き込みジーンズブランドだ(エビス、桃太郎、サムライ、LVCなど…)

基本的にブランドが推奨する通りに扱ってください。

毎日穿きましょう。

洗濯は一ヶ月から三ヶ月に一回程度がオススメです。

なぜなら色落ちを極限まで防ぎ、深いシワを刻むためです。

美しい色落ちになるには毎日穿いても1年から2年かかります。

気長に楽しみましょう。

 

大量消費ジーンズブランドだ(普通のリーバイス、リー、ラングラー…)

オンスがある場合(12oz以上)はアメカジ系を参考にしてください。

そうでない場合(99%がこちらです)は毎日穿くとすぐヘタってしまいます。

週一程度で洗濯をしつつ、気分に合わせて穿きましょう。

つまり適当でいいです。

楽しめるような色落ちはしないものと考えてください。

加工されていても同様です。

 

デザイナーズブランドだ(ディーゼル、デンハム、RRL…)

よくわからんけど金持ってんなら次々買えるんだろ?適当でいいんじゃねーの?

 

ストリートブランドだ(ヴェトモン、フィアオブゴッド、オフホワイト…)

どうせすぐ時代遅れになるだろうし、適当でいいんじゃねーの?

 

セレクトショップオリジナルだ(ビームス、アーバンリサーチ、ユナイテッドアローズ…)

質が悪いということはないでしょうけど、ジーンズに飽きるかのめり込むかの二択だと思うのでやっぱり適当でいいと思います。興味が無いならなおさら。

強いて言うなら洗濯は週一から月一くらいか。穿くたびにする必要は無いです。

つまり適当で大丈夫です。

ユニクロとかギャップのセルビッジも、ここに当たります。

 

そもそもセルビッジじゃなかった

セルビッジジーンズでもないのにジーンズの洗い方や扱い方をわざわざ調べてしまうあなたは正直セルビッジ買うとハマると思います。ジーンズにはルーツやディティールが膨大にあり、こだわり出すとキリがないからです。それはさておき…

そういう人に「適当でいいよ」と言っても、

「着用時間は何時間か」「動きすぎて支障はないのか」「洗う時水は何リットルか」「洗剤は使わなくてもいけるのか」など細かく気になりだすでしょう。

別に適当でいいです。適当に扱えば適当に扱っていたなりの良さが出ます。

こうしたいという理想があるなら加工されたものを買いましょう。

加工されたほうがちょっと高いかもしれませんがコスパで考えると何年も同じジーンズを着なければいけない必要がないのでよっぽど得ではないでしょうか。

わざわざリジッドのセルビッジジーンズをイチから色落ちさせて完成させていくというのはよっぽどの変わり者でなければ飽きるか途方もない年月がかかるかでしょう。

一般的な感性をお持ちの大多数の方は、普通のジーパンを買って普通に履くのがいいと思います。

 

 

セルビッジを買ってしまったあなたへ

そのへんのショップに行っても安価にセルビッジが買えるようになりました。

この「デニムはやっぱりセルビッジ」の流れは10〜15年前にも一度あったらしく、

当時も「よくわからないけどなんかカッコイ」という理由だけでセルビッジジーンズを買う人がたくさんいたそうです。

 

…なんというか人のファッションに口を出したりするわけじゃないですけど、もうちょっと見た目だけじゃなくてギミックやルーツにも着目していいんじゃないかと思います。

 

セルビッジジーンズは手間と時間がかかり、貴重な生地で作られています。

 

そのことをわかってほしい。

 

さほど興味はないけど他の人と差別化は図りたいみたいなくだらない理由で手を出されるとジーンズ自体の価格が高くなり、本当に好きな人に届きにくくなる。というか俺が高くなったジーンズに手を出しにくくなる。プチスタ2万もしたんだぞ?わかってんのか?大衆向けにキョロキョロスタイルを変えてWEARでイキってるような自称オシャレさんのモデルとかスタッフとかブロガーとかインスタグラマーとかユーチューバーとかが「デニムはやっぱりセルビッジ」みたいなことを馬鹿の一つ覚えに連呼するもんだから「え?今までのジーンズってダサいのかなァ…オロオロロ〜…」みたいなやつが生まれるんだっての。自称オサレさん、「リジッドから育てま〜す」とか言いながらどうせ穿いてねえじゃん。そうだろ?お前のジーンズ見せてみろよ。真っ黒のまんまじゃねえか。なんのためにそれ買ったの?「モノが持つストーリーが…」とか言い出すんだろ?情報だけ消費するなら商品いらねえだろって。「シルエットが…」ジーンズである必要ねえじゃねえか。「ジーンズ特有の青色が…」だったら最初から加工買っとけって。お前らにリジッドの価値ねえって。できもしないこと宣伝すんなって。

そもそもお前らユニクロでいいんだろ?服を見る目があるんだもんな?「ファストファッションもあなどれない」とか言ってるもんな?ユニクロのジーンズ履いとけよ?わかったな?お前らの大好きなこだわりのセルビッジ、ユニクロも出してるからな?それ着とけよ?次のタイトルは「意外と使える各ファストファッションブランドのデニム」で決まりだからな?

 

 

バカに踊らせれて高いジーンズ買わされたお前も半分同罪だからな。

でもお前はフェイク野郎と違って、これからジーンズに愛を注ぐことはできるわけだ。

 

だから、みなさんはせっかく買ったセルビッジジーンズ、末永く大切に扱ってくださいね!

 

それでは、きれいなブルージーンズになるその日にまた会いましょう!

GAPのシャツ-裾上げなど

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随分前にGAPで買ったシャンブレーシャツ。たしか最後のボタンホールがほつれてしまったので仕舞っておいたような気がする。記憶は曖昧で、俺達は曖昧なものを頼りに生きている。

 

久々に着てみると丈もちょっと長い。というか市販のシャツの丈は大体ちょうどいい位置に来てくれない…と感じている。ズボンに入れるのを前提にしているわけでもあるまいし。シャツは未だにサイズ感がよくわからないのであまり手を出したくない。

 

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サイドの補強が面白そうだったので解体してみる。特に面白みはなかった。

 

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バッサリ。かなり適当。

 

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ミシン行く前にこちらを補修。ボタンホールの周りの生地ごとほつれている。シャンブレーは経糸に色糸、横糸に白糸が使われている。このケースでは経糸の青糸が飛び出しているのがよく分かる。ボタンのダメージによって経糸が切れてしまったのだろう。

 

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雑に縫った。

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完成の図。ミシン写真は無いです。

 

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サイドの補強材をセルビッジにしてみる。

 

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APCジーンズの銀リベットがよく映える。

 

 

・今回の所感

サイドの補強部、設計図がないとメチャクチャになります。これは近くで見るとメチャクチャなことがわかります。

それ以外はやってみればなんとかなったので強度以外はいい感じ。

 

 

 

クローゼットで眠っている服をもう二度と着ることがないという人がいて、へーそうなんだと思う。太ったとか痩せたとか飽きたとか流行りが終わったとか店で試着した時はイケていたが家に持って帰るとすごく微妙なことに気付いたとかパネルではとびきりS級指名料プラスだったのに実物は写真とは似ても似つかない「妖怪ねぶとり」のような嬢がきたとか。最後は違うか。とにかく人は間違いを犯すのでいらない服はどんどん増えるしいつかはそれを手放すことになる。

 

あるいは。

生地がやつれてきた、リブが伸びてきた、など見た目に支障が出た場合に服としての機能に問題がなければ部屋着になるというケースもあるだろう。そうして部屋着になった服がもう一度外行きの服になるかという問題がある。

ちなみにこの例えは男性からみたセフレの感覚を女性に説明するときによく用いられる。一度部屋着というタグを付けられたアイテムがオシャレ着として他の新品に混ざることは決してないのだ。

 

火遊びに本気になってはいけないな〜みたいなを思うのは、こういう男女の感覚の違いを分からないうちにヤリチン氏のローテーションに組まれてしまう女性を結構見てきたからで、でも彼らが現状モテているということはそういう男性が求められているのだろう。なにがすごいってヤリチン氏の適当な相槌に「私の相談を親身になって聞いてくれてる!」とかそういうことを多くの女性が本心から思っているらしいからだ。ヤリチン氏のスキルが上等なのか女性がチョロいだけなのかは俺にはわからないけどまあどちらも飽きないものだなと思う。まあそうじゃない男性が軒並みオタクかマイルドヤンキーでは女性の選択肢も随分限られているのだろう。頑張ってくれという思いである。俺にはそういった広く女性に通じる魅力もスキルもないし、後処理もまるでできないので、最初から遊びのつもりで割り切ってる女性が好みだ。しかしこちらがいいなと感じても向こうはあくまで遊びだから夜が明けてからの態度は大体サッパリである。うまくいかないもんだ。

 

 

 

部屋着の話だった。ダルダルになったコットン製品は乾燥機入れれば縮んで寿命延びたりするから、そういうことをしていきましょうとかそういうことだった。シルエットでも結構印象変わるから「お直し」など呼ばれるサービスも試してみてはいかがだろうかとかそういうことなのだ。

このブログは洋服のお得情報の発信源なのだ。決して男女の痴情のもつれを憂うブログではない。

 

『マッドマックス 怒りのデス・ロード ブラック&クロームエディション』−シネマ神戸にて

 

 

マッドマックスFRはかれこれ10回くらい見ている。B&Cエディションは初。見る前は「こんなんちょっと古臭くなるだけじゃないの」とタカをくくっていたがもちろんそのようなことはなかった。

 

色がなくなることで動きや動線が際立ったという意見は前から聞いていたが、まさにその通りだったし最後のカーチェイスの殺陣も何が起きたのかがわかりやすくなっていた。情報量が減ることでメリハリが生まれてより没頭しやすくなった、という感じ。元から色数が少ないため車の渋さや砂漠の広さなんかは強調されていた。出て来るアイテムほぼ全部が無機質なカッコよさで溢れているのでやはり白黒に向いている素材なのか。

 

逆に、俺が一番お気に入りのドゥーフウォーリアのシーンで赤色がなくなっていたのは、予想していたがやはりちょっと残念だった。奥でウォーボーイズが爆走している中、ドラム隊から回り込んでドゥーフを手前に映し、ギターが火を吹く…という天才的だがすごく頭の悪い絵は、彼が唯一ウォーボーイズの中で真っ赤なコスチュームだからこそ効いてくる演出だったのだ。

 

MMFR自体の感想はこれくらい。もう散々見たし、MMFRを見るのが「あーやっぱ最高だな」ということを確認する作業になっているフシがある。

 

 

 

今回行ったシネマ神戸はそういう人の琴線を鷲掴みにするようなラインナップの2本同時上映をやっており、話を聞いただけでハッピーな気分になった。今どきこういう映画館あるんだ〜。結局みんなが行きたいのってこういう映画館だよな〜。

最新作をドンドンやったりするファミリー向けの映画館は必要だ。でもそういうファミリー層向けの映画館側には「怖いポスターは嫌な気分にさせちゃうだろうな」「古い映画ばっかフューチャーしててもみんな興味ないだろうな」という忖度があり、結果無難で清潔感だけが漂う映画館ばかりになっている…のではないかと俺は予想している。映画好きの憩いの場が自宅だなんてつまらない。映画館はもっと渋かったり古かったり頭が悪かったり…といった様々な理由で特定の人向けの映画をドンドン放映して欲しい。

 

同時上映のドントブリーズに間に合わず見れなかったのが本当に残念だ。新開地近くに引っ越し、休日にシネマ神戸の2本同時上映を見ながらダラダラ過ごすような生活をするのが当面の夢だ。概念的なね。これを実現するまで死ねないぞという思いがある。